開発の失敗率とフレームワーク


ここ数年のあいだ、”プロジェクトが頓挫した”・”大炎上した”などの噂をあまり聞かない。
私が業界に入った頃には”デスマーチ”って言葉が流行っており、ソフトウェアの開発はまるで戦争の様に例えられた。
プロジェクトの成功率は3割と言われ、私の渡り歩いた現場の成功率も3割ほどだった気がする。
責任者の勉強不足で仕様を大幅に削減したり、「誰が使うんだ」って思うような製品の開発にも携わった。
しかし、ここ数年、以前より失敗率は大幅に減ってきた様な気がする。


何故か?


おそらくフレームワークの発達したからだろう。
以前の開発は、フルスクラッチで組む必要が多く、それなりの技量が要求されていたと思う。


しかし、最近の開発はフレームワークベースの開発なった。
骨組みにペタペタとソフトを貼付けていく手法によって、最低限の品質は保証され開発速度も早くなった。
元々、半分ソフトが出来上がっているのだから、失敗の確率は必然と低くなる。
以前の様に、プロジェクトの半分まで来て破綻のシナリオが見えてくる様な事が少なくなり良かったと思う。
ソフトウェア自体が発達したのだ。


しかし、フレームワークに依存し過ぎたプロダクトは、個性を失い、画一的になり、付加価値を失う事にもなる。
フレームワークに依存しすぎず、より奥のレベルにまで手を入れてこそ、良いプロダクトを開発する事が出来るのだ。


ソフトウェア以外の事に関しても言えるのだが、


一歩先はフレームワークの中からは生まれない。