第17章・値上げしました


あまり詳しくシステムについて書けないが過酷な部署に入って半年たった。


オレもソコソコ腕が上がり組んでいるシステムの全体的な内容が理解できるようになっていた。


ある日、橋田さんと給与の話になった。プロとして余りこの手の話をしてはいけないとは思いつつも、自分の給与を遠まわしに言ってみた。


    オレ(;~ー~)<2x万です


    橋田さん(;° ロ°) <エー


橋田さんは少し驚きショックを受けていた。


この過酷な部署で残業代もでないのにそんな新卒の給与みたいな給与なのか!

と言うリアクションだった。


まぁオレも入社当初に交わした給与より少し上がったが、それはあくまで自分のレベルを考えて発した言葉。


出来る限りの自動化ツールを使い、何個かの言語を使用し(使いこなしてはないよ)ツールを作った。


この橋田さん以外のソフト屋(10人くらいの中年達)にはもう生産力では勝っていたと思う。


社内に同期入社の島田さんと言う人がいる。


その島田さんにも、それとなく給与を聞いたら予想以上のの給料をもらっていた。島田さんは素人でこの会社に入社したので全くの未経験者だ。


職種こそ違えどオレは経験者、島田さんは未経験者だ。オレはしばらく落ち込んだがすぐに納得した。この会社に来て取り合えず収穫はあった。


ちょうどその頃、別にやりたい仕事を発見した、今とは方向性が全く違うシステムだった。


技術を身につけたオレにはこの会社はメリットが無い場所になっていた。


いろいろとまたキャリアパスを考えた。。。


フリー!?


一人でSOHOとしてやっていくワケではない、派遣社員として働く道を選ぼう。


独学での学び方もおおよそ見つけた。学ぶときどうすれば自分のスタイルに合うのかも何となく判った。


トップレベルが求められる所は難しいが大体の現場では率なくこなせる自信もついた。*1


営業をやっていた時の知り合いを使い一番単価が良い会社を教えてもらった。


その会社は請負業と斡旋業をやっていた。一次受けの窓口も持っており、マージンが少なく良い報酬だった。


すぐにアポを取ってその会社に面接に行った。


オレは派遣の営業経験もあるので何度も技術者と同行し一緒に面談を受けていた経験がある。


経験上どうせ大した事に突っ込んでこないだろうとタカをくくっていた。


今まで面接をしたのは現場の技術を知らないお偉い方が業務経歴書と技術者の人格を見るくらいで技術的な話はそこまで突っ込んでなかった。


今回もそう思っていた。


雑居ビルのあまりキレイとは言い難い部屋に通され。面接が始まった。




今までの面接官とは違い全くフレンドリーではなかった。彼は笑顔なしで名刺を渡し私は業務経歴書をわたした。


面接官はしばらく業務経歴書を見て経験業務の説明を求めてきた。すでにオレは彼が技術者である事は雰囲気で掴む事が出来た。(メッチャしかめっ面してるしw)


最初簡単な技術の話から始まりドンドン深いシステムの話までもぐりこんだ。時折質問が入ったがスムーズに答える事ができた。


どうやら面接官も納得できた様子で「ほうほう」等と言っていた。


話は終わり数件の案件の内容を聞き報酬の話しになった。


(◎□◎)<混沌さん、単価で月65万です、残業は別途お支払いします、後、交通費もわが社が負担します、あくまで最低のラインでもっと頑張って貰えれば立場によってはまだ上は出せますよ


思ったより10万くらい上の数値が出てきた。あまり驚きもしなかった。


やっとここまでこれたか


ただ、ちゃんとした技術者に認めてもらった事は嬉しかったな。


プログラマーとしてやっと一人前として社会的に認められた。


なんと言うかやっと日本料理で言う「洗い方」(一番下っ端)を卒業できるレベルまで来た感じがした。


実際適当な斡旋業者だと何も技術がない人間に70万とか払ったりする。こればっかしは運が関係してくる、判断する側に技術力を図る術がないと人受けの良さだけで判断するしかないかね。


そんな事でやっと独り立ち?

*1:そりゃ今まで全部放り込まれる仕事ばっかりだったからね