第13章・SALEはじめました。


オレには行きたい業界があった。もちろんソフト屋としてだ。この時はもう27歳だったのでさすがに今までの努力を捨てる事はしたくなかった。


何度も前職の引き合いはあったが全て断っていた。


金融系・証券系等と色々と属性がソフト屋にも有るが、オレは特殊な業界での組み込みの仕事に目標を絞った。


大きな会社に入るにはスキルが全く足りなかったので、大手の子会社等を狙う事にした。


そして転職活動と同時にアセンブラ、HW*1を勉強し始めた。*2


転職を決意して半月後には一社目の面接にこぎつけた。


キレイなビル、自分のデスクが自社にあり。私服でOKなどとっても魅力を感じた*3


どうすればこの会社に入れるのか?


( ̄~ ̄;)考えろ!Think!戦略を練れ!


オレは一つの物なのだ、そして会社はお客さまなのだ。


そして、この物(オレ)には大して価値が無い、納車まで何ヶ月も待たなければならないスーパーカーじゃない。


そこら辺を走ってる中古のカローラなのだ。


こんな商品を売るには・・・


     販売戦略1 見栄えの良いチラシ

     販売戦略2 たかた@ジャパネットのような営業マジック


そして、最もお客さまが喜ぶ


     販売戦略3 値下げ!




[見栄えの良いチラシ]


ただ単の職務経歴書だと押しが弱い!質より量で攻めるしかない。


ウソが無いギリギリのレベルまで良く見せるオレの資料を作る事にした。


詳細な職務経歴書をワードで綺麗に作成した。


文字に大小を付け、太字にしたりした、そして業務内容を出来る限り詳しく書いた。


たった2年しかソフト業界にいないのに4ページもの内容になった。


[たかた@ジャパネットのような営業マジック]


面接っては己をレビューする事とオレは思っている。


前職では何度か面接を行う立場になった事もある、営業をして何人も面談に連れて行った事もある。そして、何度も己が面接をしてきた。


空気の読み方、軽く笑いを取る場面など、色々とテクニックはあるが一番いいのはやはりシミュレーションだ。


オレは何度も頭の中でシミュレートを行った。


[値下げ!]


技術、学歴、コネも何もない。ないないずくしのオレはこの手を使わないと無理だとおもってた。


言い値を聞くのもヤラシイと思ったのでこれ以上ないと思う値段を決めた。


 月20万(額面の金額&ボーナス無し)今思うと、我ながら自分を安売りしたもんだ


入社したらしたで技術を吸収するガッツがあると思った。


技術を吸収した暁にはまた転職か給与交渉すれば良い。それが駄目ならまた転職だ。技術さえありゃー何とかなる。


一人だったら20万あれば以前より裕福な暮らしが出来るだろ。


取り合えずこれ以上は無い戦略が出来た。さぁードンと来い!

*1:ハードウェア

*2:結局HWは全く理解できなかった。コンデンサの仕組みなんかの本も読んだけどチンプンカンプンだった

*3:しかし、隣の芝生は・・・