第7章・意味をなさない勉強


「カザミ君*1Oracleってなに?」


彼はOracleについて自信ありげに「いや、大学でちょっとやってたけどデータベース(以下DB)の事ですよ。」


「DBってなんじゃい!?」と心で思った。が、取り合えずWebで調べる事にした。


この頃にはやっとWebの使い方はなんとなく解るようになってきていた。


どうやらDBがデータを専門に扱うソフトとの事、そのDBソフトを売ってるのがOracleであり。そのOracleソフトの理解度を表す資格って事が解った。


WebによるとOracle資格を取るなら黒本ってヤツがベストのようだ。帰宅する途中の本屋で黒本を買った。


その日の夜からVBの勉強を中止しOracleとの闘いが始まった。




またまた大いなる絶望にひしがれる。正直少し甘く見ていた。某巨大掲示版で「OracleSilverなんて超簡単じゃん!」って書き込みが多数あったからだ。


何も解らない・・・「charとかvarcharって何ですか?」から始まった。wwww|T△T)


途方にくれたが取り合えずイマジネーションを働かしながら勉強した。


オレは妙な脅迫概念にも囚われた。「なにもPCスキルが無いオレにソロソロ社長が気づいてクビになるんじゃないだろうか!?


この時期は本当に一生懸命に勉強した。自分のプライドの為に、そして、彼女との将来の為に。。。


SQLは理解できたが、Oracle入門は殆ど解らない。


なぜ理解出来ないのか?OracleDB理論を理解する為の根本的な基礎知識が足りない為だ。バッファ・キャッシュの仕組みを理解している事が前提なのだ。


理論が殆ど理解できないから数百ページある本をひたすら暗記をした。


必殺ひたすら暗記だ。この勉強方法は試験に受かったとしても全く意味をなさない事も理解していた。しかし背に腹は変えらない!


勉強開始から一ヶ月後に一度試験に落ちた(もちろん自腹)。


「窮地に立たされたら凄い集中力で受かるはず!」などと妙な自信があったオレは、絶望的になった。


     こんだけ勉強して受からなかった。オレの頭は大丈夫?
     周りはあまり真剣に勉強してない、これ受かってメリットがあるのか?
     もう、これ以上頑張れるのか?
     (хх。)

しかし、途中で投げ出さなかった。よく覚えてないけどなぜか勉強した。


一つだけ改善点があった。一回目の試験は要領が悪かった、試験後半の問題に目が通らなかった事だ。


解らない問題を解き続けていた為だ。当時そんな初歩とも言える試験テクニックをオレは身に着けてもいなかった


一回目で解けなかった弱点部分をひたすら暗記した。試験のシミュレーションもした。


そして10日後にリトライしてやっと受かった(;-_-) =3


それまでの人生で一番つらい勉強だったと思う。喜びどころか安堵に包まれた記憶しかない。


ビルから出た瞬間に涙が出てきた。
試験に受かった事に対したウレシ涙ではない、頭がパンパンで、「もう嫌だなー」って感じなセンチな涙だった記憶がある。


もちろん同期の新人の中では一番初めに資格を取った。そうする事により会社がオレをクビにする事は出来ない状況にした。(後に解るけどこのチョイ悪社長には気に入ってもらっていてクビになる心配なぞ微塵にもなかったそうだ)


VBならソフトがあり勉強しやすいのだが、Oracleはソフトが無くてメチャメチャ勉強がしにくかった。


ジャガイモの皮向きの練習をするのにジャガイモが無いようなものだ。


その状況でよく取れたと思う。そしてそのペーパー資格が全く意味をなさない事も良い教訓になった。


後、この時期に彼女が妊娠した事が分かりオレ達は籍を入れる事を決めた。





スペック

年齢:20半ば

職業:エセプログラマー

将来の夢?:ソフト開発が出来る事になる

スキル:OracleSilverを理解せずに丸暗記で取得 ̄\(−_−)/ ̄

*1:風見徹に似てる