序章・なんとなく決意

一通り、色々な経験はした。


最初は年下にトイレ掃除を命令された、数年経って20代前半の時に自分で店を運営した。


その後に事件を起こし多額の借金も背負った。


一晩で常識では考えられない程の金を使った、ドンペリを浴びるように飲んだ、色んな女と遊び、外車を乗り回した。


しかし、それはただのだった。


どんなに綺麗なお水の女の子も一皮剥けば目がだったり、病んだりしてる子が多かった。


部下に裏切られ、客に罵倒され、世の中の必要悪のの部分、騙すか騙されるかの世界。


    「オレはこの仕事は天職だが、マジでこの世界向いてないな。
     これ以上は得る物は無い、将来も無い、ちょうど彼女の病気も落ち着いてきた。
     さて、そろそろ足を洗うか!?


そんなノリで昼間の世界に足を踏み得れる覚悟を決めた。


次の日さっそく業界を辞める事を親方に言った。


仕事・遊びを教えてくれた。今までのオレの行き方を見てきた彼は快く承諾してくれた。


<去る者は追わない>のがこの世界の常識だった。


親方は一言
    「お前は普通の世界で生きていけないかも。
     昼間は刺激が無い、お前は特に刺激を求めるヤツだ。戻ってくる時は腹を決める事だ。
     自分の人生だからな」



エールでもない、捨て台詞でもない、ただの真実を言った。


その日の夕方ドレッドになりかけたスパイラルの頭を坊主にした。


そして次の日にはハローワークの門を叩いた。